令和5年度 京大ロー入試 行政法

 今回は令和5年度京大ロー入試の行政法について書きたいと思います。

 

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①解答構成

②反省

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行政法 26点 50分 3枚くらい

➀解答構成

⑴処分Bの取消訴訟について、関連する法令の仕組みから考えて、訴えの利益は消滅していないとの主張は認められるか。

 

行政事件訴訟法9条1項

《規範》訴えの利益

もっとも、Xに係る医業の停止期間はすでに満了しているため、処分Bを取り消す実益はないように思われる。

しかし、以下の事情がある。

1.医師法7条の2第1項により、同法7条1項の処分を受けた医師は「再教育研修」を受けるように命令されうる地位に立たされる。

2.当該再教育研修を受けるように命令されれば、医療法7条1項により、「再教育研修」を修了し、医師法第7条の2第2項により登録を受けたことによって「臨床研修等修了医」師とならなければ、病院を開設することができない。

3.「臨床研修等修了医師」は医療法施行規則第1条の14第1項1号括弧書により、病院又は診療所開設の許可を受ける際に、医師法第7条の2第3項により交付された再教育研修修了登録証を提示し、又はそれらの写しを添付しなければならない。

本件についてみると、医師法7条1項2号に基づく処分Bを受けたXは、上記のような制限を受ける可能性のある地位に立たされる。そのため、本件では処分Bを取り消す訴えの利益は消滅していないと考える。

 

⑵処分Aについて訴えの利益が消滅していないことを理由に、処分Bの取消訴訟について、訴えの利益は消滅していないとの主張は認められるか。

 

処分Aと処分Bは本来別個の処分である。

もっとも、《規範》違法性の承継ぽく

本件では、処分Aと処分Bが同一の目的のために結合しているとは言えない。また、処分Aについては、別個に取消訴訟を提起することができたのであって、違法性を争うための手続的保障が十分に与えられていないとは考えられない。

以上より、違法性の承継ぽいものは認めらない。

 

②反省

 院試一発目の試験ということもあって、問題を開いた瞬間に頭が真っ白になりました。「ああ、本当に始まってしまったんだなあ。」という気持ちで、問題文が頭に入ってきませんでした(笑)。一応憲法の問題も見た後に、ようやく正気を取戻すことができました。ここまでで、10分ぐらい経過していたのは覚えています。

 「え?また訴えの利益?去年も出てたじゃん」と思いました。訴えの利益は出ないだろうと思っていたため、訴えの利益に関する規範を正確に覚えておらず、何となく書きました。ただ、訴えの利益に関する規範に関しては複数の参考書でバラバラだったので、案外適当でもいいだろうとも思っていました。医師法、医療法、医療法施行規則を読んで、だいたいの道筋が立ち安心しました。

 法令の仕組みから訴えの利益を書き終えたのちに、「あれ、処分Aってなんのためにあるの?」と思い、処分Bにおける6か月の医業停止期間が満了しているとあったため、処分Aの取消訴訟の出訴期間(行政事件訴訟法14条1項)も過ぎていると考え、違法性の承継ぽいものをその場で錬金してみました。点数を見る限り、あまり評価されなかったみたいです。

令和5年度 京大ロー入試 5年一貫型教育選抜(法曹基礎プログラム)面接

 今回は令和5年度京大ロー入試の5年一貫型教育選抜について書きたいと思います。

 

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①当日の流れ

②面接内容

③まとめ

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➀当日の流れ

 当日は着替えるのが面倒だったので、スーツで筆記試験会場に向かいました。僕は既習一般選抜と併願していたので、商法の試験が終わった後に5年一貫型教育選抜の控室に向かいましたが、その間の時間が10分程度しかなかったため、急いでネクタイを結んで準備をしました。控室に入ると、自分の受験番号が書かれた席に着席して待機するよう指示されました。その後、僕は一番最初に番号が呼ばれて面接室に向かいました。

 

②面接内容

得点:43点

 

 面接室の中に入ると、面接官が2人いて、1人は若手、もう1人はnot若手という感じでした。面接中は、主に若手の面接官に質問されました。

 以下、質問内容です。(※)がついているものは、ステメンに書いた内容を掘り下げられたものです。

 

1.受験番号と氏名

2.将来の仕事についてのビジョンはどのようなものか?なぜそのようになりたいのか?きっかけは何か?(※)

3.法曹基礎プログラムの成績要件を満たすうえで、学習面ではどのように工夫したか?

4.特に興味を持った専門科目は何か?また、その科目の学習について何か工夫したか?

5.あなたが法科大学院に望むものは何か?

6.法科大学院に入学すれば、教育を受ける立場だけでなく、「京都大学法科大学院」としての一体感を守る義務もある。法科大学院には他大学出身の人や元社会人であった人もいるが、そのような一体感を出すためには何が必要だと考えるか?

7.(もう一方の面接官から追加質問)学部時代に英語のスキルを磨いていたようだが、外渉弁護士等になって英語のスキルを活かすつもりはあるか?

 

③まとめ

 なんで面接をこのタイミングでいれるの!!???って思ってましたが、商法の試験の直後すぎてアドレナリンどばどば状態だったので、面接は全く緊張しませんでした。面接官の口調や表情は柔らかく、宗教勧誘かのような話し方でした。僕は「えーっと」って30回ぐらい言いました(特に質問7)。その場で思いついたことをとにかく喋りました。解答後には「なるほど。○○ということですね。」というように、僕の解答に対する解釈を述べてくれるので、ちゃんと伝わっているか確認できてよかったです。